CAD図面を起点とした工程間のデータ連携で
制御盤設計の標準化と製造現場の効率化・省力化を推進
株式会社アイテック様 導入事例
FA(ファクトリーオートメーション)とBS(ビルシステム)を事業の二本柱とし、各種制御盤の設計・製作を手掛ける株式会社アイテック(以下、アイテック)。
従来の作図を中心とした電気CAD運用から脱却し、「ACAD-DENKI」を中核としたデータ連携基盤の整備を推進してきた。その結果、設計から購買、製造まで、すべての工程をつないだ標準化や分業化、自動化が大きく前進。現在は、AIを活用した設計支援にも取り組んでいる。
| 導入製品 | ACAD-DENKI、Wiring PLAN、BricsCAD |
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| 導入前の課題 |
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| 導入後の効果 |
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転記ミス・誤手配を生んでいた
作図中心のCAD運用からの脱却
アイテックが図研アルファテックより「ACAD-DENKI」を導入したのは、今から十数年前の2012年にさかのぼる。空調リモート制御盤や中央監視システム制御盤、空調動力盤などの設計・製作を手掛けているBS事業において、主要取引先から認定協力工場の指定を受け、推奨されたのがきっかけだ。
同社 執行役員 業務管理部 部長の吉原 喜継氏は、「ACAD-DENKIについて独自調査したところ、CAD図面を起点にさまざまなデータを連携できることがわかり、『これは使わなければ損だ』と判断し、導入を決定しました」と語る。
もちろん同社としても、それまで電気系CADが未導入だったわけではない。しかし、当時利用していたCADは、図面を描くこと自体はできても、マークチューブ(※配線作業における電線・ケーブルの識別に使われる印字済みのチューブ)の番号付け、機器表・銘板表・外形図の作成、回路チェック、板金加工指示などの工程にデータをつなげていくための仕組みが十分ではなかった。
同社 金沢営業所 技術部 課長代理のT.M氏は、「極端な言い方をすれば、当時のCADは『お絵描きソフト』程度の機能しか備わっていませんでした。紙に出力した図面を見ながら、必要情報を各種帳票へ手入力していたため、転記ミスや誤手配、無駄な工数が発生しやすい状態でした」と明かす。
こうした非効率なCAD運用を抜本的に見直す仕組みとして、ACAD-DENKIは大きな役割を果たしてきたのである。
同社 執行役員 業務管理部 部長の吉原 喜継氏は、「ACAD-DENKIについて独自調査したところ、CAD図面を起点にさまざまなデータを連携できることがわかり、『これは使わなければ損だ』と判断し、導入を決定しました」と語る。
もちろん同社としても、それまで電気系CADが未導入だったわけではない。しかし、当時利用していたCADは、図面を描くこと自体はできても、マークチューブ(※配線作業における電線・ケーブルの識別に使われる印字済みのチューブ)の番号付け、機器表・銘板表・外形図の作成、回路チェック、板金加工指示などの工程にデータをつなげていくための仕組みが十分ではなかった。
同社 金沢営業所 技術部 課長代理のT.M氏は、「極端な言い方をすれば、当時のCADは『お絵描きソフト』程度の機能しか備わっていませんでした。紙に出力した図面を見ながら、必要情報を各種帳票へ手入力していたため、転記ミスや誤手配、無駄な工数が発生しやすい状態でした」と明かす。
こうした非効率なCAD運用を抜本的に見直す仕組みとして、ACAD-DENKIは大きな役割を果たしてきたのである。
データ連携の軸となる
設計基盤のもとで標準化を推進
ACAD-DENKI導入後、同社がこのCADに大きな価値を見出したのが、「図面を生きたデータとして扱えること」である。
同社 技術部のT.H氏は、「マークチューブの番号をはじめ、銘板表、板金データ、機器手配用のCSVデータ、デバイスシールデータなど、これらのデータをACAD-DENKIのワークスペースに入力すれば、簡単に連携させることができます。初心者でもミスなく、短時間で図面に反映できるようになりました」と説明する。
CAD図面が単なる設計フェーズの成果物だけではなく、購買・加工・製造フェーズへとつながる情報基盤になったことで、無駄な転記作業の削減、各プロセスの品質・精度向上が実現した。
これを後押ししたのが、同社が2021年から推進している「設計の標準化」である。
同社 代表取締役の加藤 啓輔氏は、「各設計者が個別に図面を作成していたため、情報が散在し、属人化も進んでいました。使用する機器や回路の書き方も設計者によって異なる場合があり、設計品質そのものにバラツキが生じるおそれがあります。また、高い技術力を持つ熟練設計者の高齢化が進んでおり、早急に対策を講じる必要がありました。これらは経営視点でも非常に大きな課題であり、まずは最も多くの工数をかけているハードウェアの設計情報を全社の共有資産に変えるべく、標準化の取り組みを開始しました」と語る。
ACAD-DENKIは、この標準化を支える基盤として位置付けられており、設計品質の平準化や、フィリピンに設立した海外グループ会社を含む拠点間の分業体制づくりを推進していく土台となっていった。
同社 技術部のT.H氏は、「マークチューブの番号をはじめ、銘板表、板金データ、機器手配用のCSVデータ、デバイスシールデータなど、これらのデータをACAD-DENKIのワークスペースに入力すれば、簡単に連携させることができます。初心者でもミスなく、短時間で図面に反映できるようになりました」と説明する。
CAD図面が単なる設計フェーズの成果物だけではなく、購買・加工・製造フェーズへとつながる情報基盤になったことで、無駄な転記作業の削減、各プロセスの品質・精度向上が実現した。
これを後押ししたのが、同社が2021年から推進している「設計の標準化」である。
同社 代表取締役の加藤 啓輔氏は、「各設計者が個別に図面を作成していたため、情報が散在し、属人化も進んでいました。使用する機器や回路の書き方も設計者によって異なる場合があり、設計品質そのものにバラツキが生じるおそれがあります。また、高い技術力を持つ熟練設計者の高齢化が進んでおり、早急に対策を講じる必要がありました。これらは経営視点でも非常に大きな課題であり、まずは最も多くの工数をかけているハードウェアの設計情報を全社の共有資産に変えるべく、標準化の取り組みを開始しました」と語る。
ACAD-DENKIは、この標準化を支える基盤として位置付けられており、設計品質の平準化や、フィリピンに設立した海外グループ会社を含む拠点間の分業体制づくりを推進していく土台となっていった。
自動電線加工機との連携で
製造リードタイムを短縮
ACAD-DENKIの利用拡大に向けて、さらに大きな転機となったのが、2024年4月における金沢営業所・工場の新築移転だ。制御盤の生産能力増強を目的とするもので、これを機に同社は、盤配線支援システム「Wiring PLAN」ならびにライオンパワー社製の全自動電線加工機「HI-3000」を導入。ACAD-DENKIで作成した図面データをもとに、Wiring PLANにて電線情報のCSVファイルを作成し、HI-3000に引き渡して電線を製作するまで、一連のプロセスを自動化するデータ連携の仕組みを構築した。
「製造工程で約35%のリードタイム短縮を実現した案件もあります。Wiring PLANの導入に伴い設計側では一定の追加作業が発生するものの、全工程トータルでは25%以上の工数削減に貢献しています」(吉原氏)
定性的な観点でもACAD-DENKIを起点とするデータ連携は、製造現場に多くの改善をもたらしている。まずは手作業のデータ転記に伴うケアレスミスの削減だ。
「従来は機器の誤手配などが生じていましたが、今は必要なものだけを無駄なく購入するようになり、過剰在庫や廃棄ロスも大幅に削減されています」(T.M氏)
加えてサプライヤーとの情報共有が進んだことで、製造工程の省力化も図られた。
「例えば制御盤に組み込む中板への穴あけ加工は、以前は現場で一つひとつドリルを用いて手作業で行う必要がありました。それが現在では、板金業者側で下穴加工された状態で部材が届くようになり、現場の負担が大幅に軽減されています」(T.M氏)
しかも、上記のような改善が自発的・継続的に進む文化が社内全体に醸成されつつある。
「先行する金沢営業所・工場で成果を上げた取り組みが、すぐに本社や他拠点に共有されるなど、ノウハウの横展開が進んでいます。一方では、製造現場から上がった要望を設計側が吸い上げてACAD-DENKIに実装するといった、エンジニアリングチェーンの下流から上流への改善活動も広がっています」(T.H氏)
結果として、同社では人材育成のスピードも大幅に向上した。
「従来は製造現場に配属した社員が一人前になるまでに、1年近くの期間を要していました。製造工程の標準化を追求してきた取り組みが功を奏し、現在では2週間程度の研修を受ければ、現場を任せられるようになりました」(吉原氏)
「製造工程で約35%のリードタイム短縮を実現した案件もあります。Wiring PLANの導入に伴い設計側では一定の追加作業が発生するものの、全工程トータルでは25%以上の工数削減に貢献しています」(吉原氏)
定性的な観点でもACAD-DENKIを起点とするデータ連携は、製造現場に多くの改善をもたらしている。まずは手作業のデータ転記に伴うケアレスミスの削減だ。
「従来は機器の誤手配などが生じていましたが、今は必要なものだけを無駄なく購入するようになり、過剰在庫や廃棄ロスも大幅に削減されています」(T.M氏)
加えてサプライヤーとの情報共有が進んだことで、製造工程の省力化も図られた。
「例えば制御盤に組み込む中板への穴あけ加工は、以前は現場で一つひとつドリルを用いて手作業で行う必要がありました。それが現在では、板金業者側で下穴加工された状態で部材が届くようになり、現場の負担が大幅に軽減されています」(T.M氏)
しかも、上記のような改善が自発的・継続的に進む文化が社内全体に醸成されつつある。
「先行する金沢営業所・工場で成果を上げた取り組みが、すぐに本社や他拠点に共有されるなど、ノウハウの横展開が進んでいます。一方では、製造現場から上がった要望を設計側が吸い上げてACAD-DENKIに実装するといった、エンジニアリングチェーンの下流から上流への改善活動も広がっています」(T.H氏)
結果として、同社では人材育成のスピードも大幅に向上した。
「従来は製造現場に配属した社員が一人前になるまでに、1年近くの期間を要していました。製造工程の標準化を追求してきた取り組みが功を奏し、現在では2週間程度の研修を受ければ、現場を任せられるようになりました」(吉原氏)
設計キャパシティ拡大に向けた
AI活用と回路のモジュール化に挑戦
そして同社は現在、ACAD-DENKIを基盤にAIを活用した設計支援にも挑戦している。背景にあるのは、制御盤の生産量を「今後2年間で倍増する」という経営目標だ。
「仮に工場を拡大し、電線加工機を増設したとしても、単純に生産量を増やすことはできません。設計のボトルネック解消が必須なのです」(加藤氏)
この課題解決に向けて、同社が進めてきたのが回路のモジュール化である。すでに700個近いモジュールが登録されており、図面全体の約80%がこれらのモジュールを使用して作成されている。これにより、図面作成における属人化が排除され、新人からベテランまで同じ品質の成果物を出せるようになった。
そして現在進めているのは、ビルや工場の建設設備計装図を読み込み、AIを活用した自動作図だ。
「自動化と分業化を進めていくことで、設計者一人ひとりの生産性を高めていき、ベテランがより付加価値の高い設計に集中できる体制を確立します」(加藤氏)
そうした中で、図研アルファテックのサポートにも、ますます期待が高まっている。
「これまで図研アルファテックにはACAD-DENKIの運用面で、いつも的確な問い合わせ対応をいただいてきました。さらなる改善に向けてさまざまなアイデアが湧き出している今、当社の取り組みに伴走し、その実現を支えてほしいと思います」(吉原氏)
図面を起点に多様な情報をつなぎ、設計を標準化し、製造を効率化し、新たな価値を生み出していく――。この戦略の中心に位置するのがACAD-DENKIであり、同社は今後もデータ連携を軸に、制御盤に関するモノづくりの高度化を追求していく構えだ。
「仮に工場を拡大し、電線加工機を増設したとしても、単純に生産量を増やすことはできません。設計のボトルネック解消が必須なのです」(加藤氏)
この課題解決に向けて、同社が進めてきたのが回路のモジュール化である。すでに700個近いモジュールが登録されており、図面全体の約80%がこれらのモジュールを使用して作成されている。これにより、図面作成における属人化が排除され、新人からベテランまで同じ品質の成果物を出せるようになった。
そして現在進めているのは、ビルや工場の建設設備計装図を読み込み、AIを活用した自動作図だ。
「自動化と分業化を進めていくことで、設計者一人ひとりの生産性を高めていき、ベテランがより付加価値の高い設計に集中できる体制を確立します」(加藤氏)
そうした中で、図研アルファテックのサポートにも、ますます期待が高まっている。
「これまで図研アルファテックにはACAD-DENKIの運用面で、いつも的確な問い合わせ対応をいただいてきました。さらなる改善に向けてさまざまなアイデアが湧き出している今、当社の取り組みに伴走し、その実現を支えてほしいと思います」(吉原氏)
図面を起点に多様な情報をつなぎ、設計を標準化し、製造を効率化し、新たな価値を生み出していく――。この戦略の中心に位置するのがACAD-DENKIであり、同社は今後もデータ連携を軸に、制御盤に関するモノづくりの高度化を追求していく構えだ。
アイテック 様 概要
| 会社名 | 株式会社アイテック |
|---|---|
| 設立 | 1986年 |
| 資本金 | 7,300万円 |
| 従業員数 | 75名 |
| 事業内容 | PLC及び監視システムを中心とするFAシステムの設計、計装PLC応用システムの設計、自動制御盤の設計・製作 |
| URL | https://www.itc-nagoya.co.jp/ |
※ご担当者様の所属部署、インタビュー記事内容などは取材当時のものです。
(2026年6月掲載)